ESXiとOpenFilerで最速Windows 2003 MSCS構築

色々とハマったので情報を。

一番の肝は共有ディスクをiSCSIにする事です、こうしないとQuorumがオンラインになりませんでした。またこの構成だとVMwareのスナップショットも使えますし、物理筐体をまたいだMSCSでも問題ないはずです。

用意するもの

  1. OpenFiler ×1個
  2. VMware ESXi 4.1 ×1個
  3. Windows Server 2003 EnterpriseのVM ×3個

OpenFilerを作る

OpenFilerでググって適当なマシンにインストール。IP設定をしたらあとはWEBコンソールで、、、

  1. NFSiSCSI Targetサービスを有効化/起動
  2. NFSiSCSI用のボリュームをそれぞれ切る
  3. ローカルネットワークを定義
  4. NFSへのrwアクセスを許可
  5. iSCSIターゲットを公開

です。基本デフォルトパラメータでこれだけやればOKで、WEBコンソールがしっかりしてるのでフィーリングで大丈夫です。

唯一のハマりポイントはWEBからインストールしたディスクにボリュームを追加出来なかったので、SSHで入ってfdisk&再起動した事です。こういう時LinuxベースのNASは勝手が分かるから良いです。

ESXiを作る

VMwareのサイトからダウンロードして、適当なマシンにインストール。ここで必要な作業は、、、

  1. IPとNTPを設定
  2. ライセンスを入力
  3. OpenFilerのNFS領域をデータストアとして追加

くらいです。NICがVIAだったのでESXiを4.1+カスタムoem.tgzの構成になりましたが、Intel積んでるマシンを選べば多分5でも問題ないと思います。

ここでのハマりポイントはESXiのパッチを当てたらoem.tgzがOEM.TGZになってNICが見えなくなったことです。

VMを作る

ごく普通にWindows Server 2003 Enterpriseを3台インストールします。インストールしたら、、、

  1. Windows Update
  2. VMware Toolsのインストール
  3. VMware Toolsのホスト時刻同期オプションの有効化
  4. 1台をドメインコントローラに、その他2台をドメインメンバに

という作業をします。VMwareのドキュメントによると時刻同期はActive DirectoryのNTPを使う方が推奨されてますが、問題なかったので自分流に。

ここではハマりポイントはありません。sysprepを使えばだいぶ楽できると思います。

MSCS前準備

まずクラスタ用のドメインアカウントを「初回ログイン時のパスワード変更なし」「パスワード無期限」「パスワード変更不許可」で作ります。作ったらメンバサーバーのローカルAdministratorsグループにそのアカウントを追加します。

次にクラスタノードそれぞれにMicrosoftiSCSI Initiatorをダウンロードしてインストールします。インストールが終わったら次の作業に移る前に必ず片方1台をシャットダウンします。

その後起動しているもう一方でOpenFilerのiSCSI領域を認識させ、ベーシックディスクのままパーティションを切ってフォーマットしてQドライブに割り当てます。ここまできたらこのサーバーはシャットダウンします。

代わりにここからは最初にシャットダウンしていたサーバーを起動させて、OpenFilerのiSCSI領域の認識作業を行います。その後ディスクマネージャを起動してフォーマット済みのパーティションをQドライブに割り当てます。

MSCSの構成

事前準備が全てです。ここまでの作業に漏れがないかもう一度確認します。確認できたら後はクラスタアドミニストレータを使って、、、

  1. 今起動しているサーバーでQドライブをQuorumに指定して新規クラスタ
  2. 残った1台を起動して作ったクラスタに追加

だけです。事前の準備が完璧である事が大切です、本当に。

最後に

出来上がったクラスタグループを移動させたりしながら優越感に浸ってください。私は無意味にVMをパワーオフしたりしながら楽しみました。

最速なので非常に駆け足でしたが、各ステップで詳細な説明が必要であればググってください。それぞれ単体であれば先人たちの良いドキュメントがたくさん見つかるはずです。

誰かの数日が1日くらいに短縮されますように。ではでは。