王族との対談

先日、友人(彼のブログ:CTS.dogg KAZU)と話す機会がありました。

まず結論から言うと、やはり人間60億いれば色々な考え方があるのだなぁという衝撃を受けました。

彼曰く、物事をどのように成し得るか、最良の方法を考え、その成し得た様態に満足するとの事。「物事を成し得る=問題を解決する」とすると、それは私の思うHacker(召喚師・魔法使い)も同じだと思います。

しかし、その成し得るプロセスを楽しむという感覚が彼にはないそうです。

彼は何の面白みも感じないそのプロセスは誰かに任せて、その時間で次に何を成し得るか考えたいと思っているそうです。ただし、絵を描いたり銀細工を作る場合は別で、そのプロセスを楽しむこともあるということですが、なぜそのような例外があるのかと考えてみると、それは自分が思い描く成し得た様態を自分自身にしか実現できないという理由からであろうという結論に至りました。つまり彼は、物事を成し得る方法の中で一番効率の良い(自分時間を割かずに済む)ものを選択しているのです。

それに対する私の第一印象は、「まるで民に橋の建設を命ずる王族のようだ」というものでした。しかし、そのプロセスを楽しむ者だけがHackerなのであろうかという疑問が後から出てきました。むしろそのプロセス自身を楽しむ・楽しまないということは、Hackerであるか・ないかという事とは無関係な気さえしてきました。

【引用】3.2 同じ問題を二度解くような無駄を避けなさい

クリエイティブな人材というのは貴重な限られた資源です。いまそこにたくさんの魅力ある新しい問題が解決を待っている時に、車輪をもう一度発明するような無駄なことをしてはいけません。

http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/hacker-3.html#ss3.2

彼はここに記されたHacker的態度の最たるものを既に身につけています。車輪が必要ならば、作れる人、もしくは既に持ってる人に頼んで持ってきてもらう方法が一番効率的です。

【引用】3.1 この世界は解決を待っている魅力的な問題でいっぱいだ

ハッカーであることはとてもおもしろいものですが、その楽しみには大変な努力が必要です。努力するには刺激が必要です。よい成績をあげるスポーツマンは、自分の肉体的限界を越えて鍛えることで自分の体を作り上げる肉体的な喜びで動機づけされます。同様に、ハッカーになるためには自分の技術をみがき、知性を働かす訓練して、問題を解決することにゾクゾクするような喜びを感じるようでなければいけません。

http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/hacker-3.html#ss3.1

彼の態度はこの一説には矛盾し、彼はHackerではないと私には感じられたのですが、自分の第一印象を肯定するためには「問題を解決する=物事を成し得る」という前提条件を崩し、「問題を解決するということはそれに至るプロセスも包括する」という新たな前提を作り上げるか、私の思うHackerとHow To Become A Hacker(日本語訳)に記されたHackerとの間に乖離(かいり)が存在すると認めるしか方法がありません。

まとめ

今のところ私は自分の感覚の方を正しいと思い、「問題を解決するということはそれに至るプロセスも包括する」という結論を導きます。ですので今は彼を「王族」と呼びますが、これから彼こそがHackerだと思う日が来るかも知れません。

記事を書いていても途中で結論を二転三転修正しましたので、まだまだ熟考の必要があるようです。